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「ま、待ってっ……あの、一方的なのは嫌です! わたくしが貴方のものなら、貴方もわたくしのものになって下さいますか?」
涙目で必死に訴えると、レギアスは一瞬キョトンとしてニヤリと嗤った。私の耳に唇を触れさせながら、
「ああ、俺はもうお前のものだレティシア」
そう言ってそのまま耳に舌を這われるとゾクゾクして、私は思わず声を漏らしてしまった。
「ん……んぅ……」
私の反応に笑いをこぼしたレギアスに執拗に耳を弄ばれ、私は立っていられなくなり彼に支えられてしまって。そのまま横抱きにされると個室に入り、ベッドにおろされた。
これから本格的に捕食されるのだと思うと、恐怖がより現実的になり身が硬くなる。
私は自然と自身を抱き締め後ずさった。
「あ、あの……こ、こういうことは式を挙げてから……」
「待てない」
レギアスは嬉しそうに肉食獣の貌で笑うと覆いかぶさってきた。
いつの間にか私はこの人とならばいいかと思い始めている自分に気づき、呆れながら抵抗を諦めた。
何故かしら……やっぱり強くて美しいから?? それにしたって……ちょっと私、趣味が悪いのではないかしら……
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