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暑い。盆地でもない場所なのになぜこんなに暑いのか。
暑さに負けず今日は館内がやかましい。
女性陣が浴衣を着ているためだ。
確かに華やかだ。
華やかだけど行動が制限され動けない分、自分たちが動かなければならない。
その時左腕に暖かいものが触れた。
見ると笑顔満面の佐伯さんがいた。
「おっ」
黄色い浴衣には大きなヒマワリがたくさん描かれていた。
佐伯さんのような明るいヒマワリ。
そうか、もう夏なのか・・・。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
「暑いですね。」
「そうですね。もうこんな季節なんですね。」
会釈し合い別れた。
何故か今日は雰囲気が違っているような気がした。
そっと彼女の後姿を見ると、髪を上げていた。
そうか。
左腕がじりじりと焼ける。
佐伯さんが触れた場所はより熱を帯びていた。
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