蒼い恋慕

怒られるのは何年ぶりか。
暑さのせいではない。
最近何もかもに慣れすぎていた。
怠慢だ。
過去を振り返る。
あのときのあの行動は正解だったのか。
思い出せる限り、振り返る。

その時左横に誰かが座った。
「こんにちは。」
「どうも。」
佐伯さん・・・。こんな時に・・・。
「お忙しいところすみません・・。」
いや、ちょっと思考が追い付かない。
「はあ。」
「先日お願いしていたあれなんですが・・・。」
広げていた思考の引き出しをひっぱり出しこじ開けてみる。
ああこれは・・
「その件は別の人に頼みました。林さんに聞いてください。」
「・・・ありがとうございます。」

佐伯さんはそのまま背を向けて歩いて行った。

さっき、どこまで振り返っていたか・・・。
同じ過ちを繰り返さなくて済むよう、引き続き振り返る。