第0夜

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第0夜

2020年2月、取調室前廊下。 「先輩、聞きました?今回の事件のこと。」 事件の資料を2人で確認しながら今日もこの廊下を歩いている。 「あー、なんかあれでしょ?『薔薇の園なんですよ』の一点張りのやつ。」 担当刑事が事件の取調べを行っても、この一言しか言わないと言っていたことは、ぼんやりと覚えている。 「そうです!それそれ!決め台詞なのに思い出せなかったなぁ。」 後輩の吉田香穂警部補は、俺に向かって指を差したままそのセリフを再び言った。 「やめろ、先輩を指差すな。」 マヌケな吉田を1人置き去りにして先に取調室に入った。 「、、、、、。」 今日もソイツは不気味な笑みを浮かべていた。
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