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今でもたまに考える。
何かを失ったはずなのだが……思い出せない。
あの日自分が落としたものって何だろう……てか落としているのか?
だが気づかないうちにどっかに落としているみたいだ。
それだけは確実にわかる。
何を落としたか、ちょっと思い出してみるか……と思い考えてみたが
全然思い出せない。思い出したくても、思い出せない。
そしてある日家にぞろぞろと黒い服を、着た人がやってきたのだ。それもかなりの人数の喪服の人が、家に来ることなんて中々無いので、なんの騒ぎだと思い慌てて様子を確認してみる。そしたら小さい頃からの仲のいい親戚、祖父、祖母が家に入ってきた。特に祖母と会うのは久しぶりで話しかけに行ったが
無視をされた。んだよと思いとりあえず皆が集まってるリビングに行って
皆の話を聞いてた。そしたらなんかこれからどうも坊さんが来るらしい。
なんで坊さん?とか思っていたのだが皆の喪服と坊さんでピンときた。
あ、だれかの葬式でも開くのかなと思い自分も用意しようと思い
探したが無かった。気づいたらもう始まってしまっていた。
そこに開かれてあった写真は誰のでもなく自分の写真だった……
そこで今まで感じてた不信感をそれを確信に変えたのであった。
自分が何を落としたっけと考える度に頭によぎる
「光るライト・小さめな乗り物・赤色のなにか」
これがいつも思い出す時に頭の中にフラッシュバックしていたものだ。
だが今全てがわかった。自分が何を落としたのかを。
そう、あの時の自分は、小さい男の子を助ける為に
自分の命を犠牲にしていたんだった……
そうだ。 あの時落としたのは
自分の命だった
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