神様の本気。

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神様の本気。

『怖いと思われている、稲荷の誤解を解いてほしい』  突然現れた豊受姫命(トヨウケヒメノミコト)という稲荷の神様にそう依頼された私は、My神様である、高野山の清高稲荷大明神の遣わした子狐眷属とともに、六甲山上の高取神社にいた…… b77880d5-f14b-4dd9-b42d-65f7d2df734e ………これ。夢? とかじゃないよね。  時折、参拝者が訪れる本殿に私はまだいた。その場からなかなか離れることができないでいた。  そしてさっき目の前で起こっていた『変』な体験にホワホワしていた…… 「狐につままれるとはよく言ったもんだよねー」 『世間一般で怖い認定されている、お稲荷さんの誤解を解く』かあ……  私はため息をついた。 「そんなん私にできるんかな」 かしこまりました! と約束したわけじゃないけど、 でも でも あの豊受姫命さまが笑ってくれたら……
  めっちゃ嬉しいな。 edd9a0d1-cd38-4663-a639-d97801e514f7 「神様、消えてしまわれたけど。また会えたらいいな*」  本殿の外の木々が揺れる音を心地よく聞きながら、少しだけ薄暗い中に立っていた。 「……さっき、夢じゃないの? とか思ってたでしょ」 「神様の声が気のせいとかね……でも……なかったことにしないでほしいな……」 ふと見ると子狐たちが真面目な顔してる。 「………うん。そうだね。自分がまず信じないとね」 「そうだ! 便利なシステムが神社にはあるよ!」 「システム?」 「おみくじおみくじ! 言葉が書いてある! 神様の言葉が形になったもの! 実は誰でも神様の声が気軽に聞ける、一番の方法。それがおみくじなんだ♪」 「おーー。おみくじ大好き♪ 引いてみよう!」  私はキョロキョロと、おみくじのある場所を探して見回した。
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