プロローグ。

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「トヨウケヒメ様! 違うの! この人は違うの!」 「!!!ッ なんかが喋った!! って、あれ……?」  見るとそこには、私の息子が描いたイラストにそっくりの子狐2匹が……。 8243949a-eb12-4b74-9882-765532ecc1b8  え……  え!? 何コレ??  ちょっ!   なんで!?  なんで喋ってんの!? 「トヨウケヒメ様が急に怖い顔するから、怖がらせちゃったんだよー!」 「そういうとこ! そういうとこー!」  え!? なに!?   子狐が神様に説教してる!? 「そ、そうか……」  しかも神様、即効反省してはるやん!  突然出現した子狐2体と、トヨウケヒメ様?(という神様らしい)の会話にクラクラする私。  ……何が突然どうなった?? 「……お前たちは高野山の清高稲荷(きよたかいなり)大明神の眷属(けんぞく)か」 「ハイ。清高組の眷属です。この人に憑いてるの。この人、僕らのいる高野山によく来てくれるから、僕らもついてきちゃった♪」 「この人は稲荷を愛してるんだよー。トロいけど」  トロい……だと?  まあ相当適当でトロいけど……ていうか、私についてたの? この子達…… 「……高野山ばかり行きおって。お前は ”勝手に高野山親善大使”か」 「あ〜……申し訳ありません。行く行く詐欺でした。高野山の清高稲荷大明神さまが大好きでして……つい〜」  よく知る大好きな神様のお名前が出てきたら、なんとなくホッとした。 「というか神様……。さっきから伺っていると、豊受姫命(トヨウケヒメノミコト)様でおわしまされるのであり奉りますか」 「日本語が崩壊しておる。落ち着け」  神札を授与して頂いた時に頂いた高取神社の説明書きに、主祭神の名として書いてあるのを見て、確認した。  豊受姫命……という事は、やはりお稲荷さまという事か。お稲荷さまという事は……  チラリ。 「お前、今……尻尾がないか確認したろう」  バレバレ! 「稲荷神は狐ではない。お前、稲荷好きなのにそんなことも知らんのか?」  豊受姫命は呆れ気味にそう言った。 「その分じゃ、清高稲荷大明神のことも狐で想像していそうだな」 「え!」 「まあよいわ。その誤解にももう慣れた…。しかし稲荷好きのお前がそうなのか……」  と、何かを言いかけた時に本殿に参拝者が現れた。
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