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「トヨウケヒメ様! 違うの! この人は違うの!」
「!!!ッ なんかが喋った!! って、あれ……?」
見るとそこには、私の息子が描いたイラストにそっくりの子狐2匹が……。
え……
え!? 何コレ??
ちょっ!
なんで!?
なんで喋ってんの!?
「トヨウケヒメ様が急に怖い顔するから、怖がらせちゃったんだよー!」
「そういうとこ! そういうとこー!」
え!? なに!?
子狐が神様に説教してる!?
「そ、そうか……」
しかも神様、即効反省してはるやん!
突然出現した子狐2体と、トヨウケヒメ様?(という神様らしい)の会話にクラクラする私。
……何が突然どうなった??
「……お前たちは高野山の清高稲荷大明神の眷属か」
「ハイ。清高組の眷属です。この人に憑いてるの。この人、僕らのいる高野山によく来てくれるから、僕らもついてきちゃった♪」
「この人は稲荷を愛してるんだよー。トロいけど」
トロい……だと?
まあ相当適当でトロいけど……ていうか、私についてたの? この子達……
「……高野山ばかり行きおって。お前は ”勝手に高野山親善大使”か」
「あ〜……申し訳ありません。行く行く詐欺でした。高野山の清高稲荷大明神さまが大好きでして……つい〜」
よく知る大好きな神様のお名前が出てきたら、なんとなくホッとした。
「というか神様……。さっきから伺っていると、豊受姫命様でおわしまされるのであり奉りますか」
「日本語が崩壊しておる。落ち着け」
神札を授与して頂いた時に頂いた高取神社の説明書きに、主祭神の名として書いてあるのを見て、確認した。
豊受姫命……という事は、やはりお稲荷さまという事か。お稲荷さまという事は……
チラリ。
「お前、今……尻尾がないか確認したろう」
バレバレ!
「稲荷神は狐ではない。お前、稲荷好きなのにそんなことも知らんのか?」
豊受姫命は呆れ気味にそう言った。
「その分じゃ、清高稲荷大明神のことも狐で想像していそうだな」
「え!」
「まあよいわ。その誤解にももう慣れた…。しかし稲荷好きのお前がそうなのか……」
と、何かを言いかけた時に本殿に参拝者が現れた。
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