失恋の落涙

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失恋の落涙

「ごめん、俺、好きな人がいるんだ」 「へ、へぇ~、そーなんだ」  ごめんとか言わないでよ…。 「だから、明美とは付き合えない。けど、今まで通り友だちで居たいなあ」 「う、うん。そーだね、友だち、ズッ友で居られたらいいよねー」  コクって振られて今まで通りで居られるわけないじゃん。  放課後、夕日の綺麗な校舎の屋上であたしはあっさり振られた。  中学の時から5年も想い続けてきた。最初は友だちだった。でも、一度芽生えた恋心は膨らむばかりで、あたしの心のほとんど全部を占領してしまった。  受験も近付いてきたし、卒業して離れ離れになったら会えなくなるし、そんなもやもやした気持ちを吹き飛ばしたかったから思い切って告白したのに。  あーあ、あっさりしたもんだなあ。どうしようこの恋心。引きずりたくないなあ。  あたしは5年間膨らみ続けた恋心をまるめて屋上から投げ捨てた。
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