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ある日目覚めると、やはり父親は家に居なかった。少女は淡々と準備をして、学校に向かった。その道すがら、友人から声をかけられ、返事をしようとしたら、声が出なかった。
周りの人間は、皆心配した。しばらく様子を見ていたが、声は戻らない。父親に連れられいくつかの病院でも診て貰ったが、原因はわからなかった。
父親は、少女に泣いて詫びた。
母親を亡くして心細いはずの娘の側に、居なかったこと。居てやれなかった、のではなく、居なかったことを。
少女の父親は良くいえば愛を多く分け与えられる人間で、仕事で忙しい時も確かにあったが、他の女性のもとを訪れている時も多かったのだ。
父親の懺悔を、少女は黙って聞いていた。少女は、悲しそうな顔をして、床にへたる父親を見下ろしていた。
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