私の全てはあなた

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私と遠太郎さんは結婚して一年になる、まだ世間では新婚というくくりに入る筈だ。 なのに三ヶ月前から彼は殆ど家に帰って来なくなった。 さっきの留守電で母の声を聞いてから故郷の名産品であるきりたんぽが食べたくなった。 故郷にいた時にはお腹にたまる感じがあまり好きではなかったけれど、東京に出て来てからは時々無性に食べたくなる。 私の心の拠り所なのだろう。 きりたんぽを我慢して自分の分だけでも作ったビーフシチューを食べようかと思ったけれど、今は故郷のにおいがする、きりたんぽをどうしても食べたい。 薄手のコートを羽織ると街灯の明かりを頼りに近所のスーパーに買いに出かけた。
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