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 隊長らが家の中に入ると、アメラスが先手を打って提案しました。 「耳掃除もいいんですが、隊長さんとそのお仲間さんたち、  ファッションバトルの審査員を引き受けてはくださいませんか?」 「望むところだ」 この国は親切な人ばかりのようです。 「もしよろしければ王様を招待しても?」 「しばし待て。連絡を取る」  三時間後、白熱の勝負が遂に決着しました。 「勝ったのは……王様! 流石、オシャレ番長!」 ファッションバトルは結局、 アメラスとカイムに王様を加えた三人で行われたようです。 「うむ、実に良い気分じゃ」 王様は”忖度”という言葉を知りません。お気の毒です。 「ステッキ探しは一時中断。今日は祭りじゃ。  たんと食べて飲んで騒ぐがいい」 「王様、ありがとうございます!」 その夜は、警備隊も含めた全国民がロッジに集まり、 無礼講で朝まで楽しく過ごしましたとさ。 めでたしめでたし……  「あらよっと、これでステッキもゲットだ。生温い王国だったな」 「王様の物落とし癖とファッションへの熱烈な興味、監視カメラの存在、  城で働いた人間には全部分かってしまうことさ。  お前の演技も最高だった。  この調子で七秘宝揃えさせてもらおうか」 パーティー開始から一時間くらいが経った頃、 笑い声の絶えない王国を背に、二人の男が闇夜に消えていきました。
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