66人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
2-3
はっきりとした三原色に不純物の混じったコーディネートに
身を包んだカイムは、見違えるほどの強さでした。
アメラスの繰り出す魔法をものともせず、体術のみで彼を追い詰めていきます。
「アメラス、提案があるんだが、受けてくれるか?」
「内容によるな」
肉弾戦を続けながら、二人は話し合いました。
「殴る蹴る煮る焼く揚げるの戦いは嫌いだ。
正々堂々、ファッションで勝負しないか?」
「望むところだ」
これは、アメラスが圧倒的に有利でしょう。
同時期、ステッキを探していた家来たちが、ロッジまでやってきていました。
彼らは他の場所の散策中であるにも関わらず、
隊長が王様との無線通話を終えた途端、進路をロッジに変えたのです。
実は、国民の家の中には必ず監視カメラが設けられており、
王室からその様子を確認することができます。
また、ほとんどの国民は、このことを知らずに生活していました。
話を戻すと、おおよそアメラスとカイムの争いを見た王様が、
ロッジに向かうよう命令したのでしょう。
「国の捜索部隊だ。王様のステッキがなくなった。家の中を調べさせてくれ」
玄関の扉をノックしても、返事はありません。
「アメラス、耳掃除してやろう」
「はい、どうもありがとうございます」
耳掃除に釣られたアメラスが出てきました。
「中を見せてくれるか?」
「あぁ、どうぞ。お待ちしておりました」
アメラスはまず隊長とその部下数人を招き入れました。
最初のコメントを投稿しよう!