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大きな力
「みんなの言う事が間違っているというのか!?」
らいと君の言葉に、あかりちゃんは力強くうなずきました。
「だって、太陽がわざわざ月の形を変える理由なんてあると思う?」
「たしかに理由はないと思うけど……」
らいと君はううんううんと悩みました。
あかりちゃんは両手を広げました。
「きっと、もっと大きな力が動いているの。太陽に月の形を変えさせる何かが」
「何かとは?」
「神様よ」
あかりちゃんは手のひらを天に向けます。満天の星空が、見つめ返すようです。
「神様がきっと太陽を動かして、月の形を変えさせているのよ」
「どうして神様がそんな事をするのだろう」
「決まっているでしょう」
あかりちゃんは両手を背中に回して、いたずらっぽい笑みを浮かべます。
「私のお願いを聞いてくれたの。すごいでしょ」
らいと君は両目を見開いて、口をパクパクさせました。
驚きのあまり、言葉を失いました。
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