第二章-1話-

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その後もしばらくぐりぐりとしていたが、飽きたのか止まった。と思ったら、今度は膝に重みが。 「…ここでねるの?」 話しかけても返事はなく、すでに寝る体勢に入っている。 少しすると、すぅすぅと寝息が聞こえてきた。 「動けない…」 仕方ないので何か暇つぶしでもするか、とカバンから本を取り出し読み始める。 1ページ、2ページ…と読み進めていると下から苦しそうな声が聞こえだした。 「…赤羽?どーしたの?」 聞いても返事は無い。どうしよう…起こした方がいいのか…と少し迷って、とりあえず頭を撫でてみる。 しばらく撫で続けていると、唸ったような声は無くなった。 なんとなく、このまま撫でていた方がいい気がして、その後赤羽が起きるまではずっとそうしていた。
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