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7月21日(火)
今日は半日出勤で少し時間に余裕があった。
今日は久しぶりに晩ご飯でも作ろうと、材料を買っていつもよりちょっぴり重い荷物で川沿いを歩く。
すると前から私の王子様だった人が…
別に何も無いのにモヤモヤした気持ちになる。
でもやっぱり名前は聞かなきゃ。
心が落ち着かない。
「あのー、」
「あ、どうも」
「昨日の、その、音楽番組…」
「え、あ!見てくれたんですね。勝手にエピソードトーク使っちゃってすみません。僕のこと知ってたんですか?」
「いや!違うんです!たまたまなんです!たまたま!べっ別に最初から知ってた訳じゃなくてテレビをつけたらあなたがいて!私の王子っ、あいや、まさかアイドルだなんて思ってもいなかったですよ〜あははっ、はぁ」
「なるほど笑」
彼は苦笑した。え?もう嫌われた?
「あ、そうだ。お名前は…」
「僕は長谷川染耀です。」
「はせがわさん…あ、昨日のテレビで言ってたな…ははは…」
「そういえば今日は唐揚げじゃないんですね」
「え?なんでそれを…」
「あなたと2回会って2回とも唐揚げの匂いがしたんで、今日は違うんだな〜って」
「あの時は忙しくて…あとはここのスーパーの唐揚げ美味しいんです!少ししなしなしてて!」
「え!僕しなしなの唐揚げ1番の大好物です!」
「そうなんですね!」
彼との共通点を見つけて気持ちが高ぶった。
しなしなの唐揚げ。
少しだけ、私たちの距離が縮まった気がした。
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