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こうやって2人で並んで歩くのは初めてだった。
でも彼はアイドルだからマスクにサングラス。
アイドルと一緒に歩いて大丈夫なのか。
「そ、そういえばなんで今日誘ってくれたんですか?」
「僕、よくここの川沿いのあそこのベンチに座ってぼーっとしてるんです。すごくリフレッシュできるところだから。」
彼のこんなに真面目な表情は見たことない。
「だから、佐藤さんがここを歩いていることは結構前から…」
「知ってたんですね。なんかすいません気づかなくて、」
「全然です!でも、あなたが毎日毎日歩いているのを見てすごく面白かったんです。喜怒哀楽がすごくて。電話してる時はすごく楽しそうで、落ち込んでるのを見た時は助けてあげたいなって。そしたらある日、あなたが転んでて、勝手に体が動いたんです。その日から僕はなんだか佐藤さんのことが気になって気になって…」
わたしは息を呑んだ。
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