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9. あらゆる差別について思うこと
22歳の時にスイスで半年ほど働いていました。
イギリスに語学留学中、スイス人の友達から日本人の求人があるお土産販売店を聞き契約社員になったのです。
よくスイスと日本は似ているという口コミを目にします。
多分それは大方正しいと思います。
いわゆる日本人の特徴としてあげられるのは、時間厳守、綺麗好きで清潔、真面目で勤勉……スイス人の多くがそうであったから。
契約社員のビザが取れたのも、日本とスイスが特殊な条約を結んでいたからと記憶してます。
私が働いていたのは「地球の歩き方」でも一番に紹介されるほど、観光地として有名な町でした。
観光地としては有名ですが、基本は田舎町です。
デパートなどはなく、休日は自転車で湖まで行き泳いだりのんびり過ごしてました。
ある日、泳いだ後、体を乾くのを待つためポツンと湖のそばで座ってました。
平日でしたが家族連ればかりで1人でいる人は少なかったです。
「やあ。」
中南米系の男性に話しかけられました。
1人で行動する事が多いせいか、ヨーロッパやスイスではよく話しかけられました。単純に日本人が珍しいと思っている人が多かったです。
アルゼンチン出身だという男性と会話をしました。
当時、私も感じていたのですが「スイス人は排他的だ」という話題になりました。
日本人もスイス人に負けないくらい、もしくはそれ以上排他的な部分もありますが、自分が除外されると感じる側に属した時は愚痴を言いたくなります。
日本人という事で差別を感じる時があるとアルゼンチンの男性に伝えると驚かれました。
「君たちは豊かな国だ。日本人として差別を受ける事はあり得ないと思うよ。」
その発言でハッとしました。
肌や髪の色、見かけがスイスのマジョリティーである白人タイプと違うので差別を受けると感じた事が多かったからです。
アルゼンチンの男性は自国が経済的に未熟だから、豊かなスイス人に対して劣等感を覚えると言いました。
差別はあらゆるところから発生する…。
経済を軸にして差別という考えがなかったので、自分はまだ考えが浅いと反省しました。
新しい観点を教えてくれた、アルゼンチンの方、有難うございました。
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