誰だ。

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先ほど取ったマスク。 黒い帽子。 黒いスウェット。 黒い鞄。 ただただ散歩に行く途中だったのか? 散歩にしてはこの鞄は邪魔すぎる。 もしかしたら僕は家出の途中だったのか? それとも旅行? 考えても記憶を拾うことはできない。 鞄の中を開けたら、何か分かるかもしれない。 僕は鞄のチャックに手をかけた。 その時だ。 僕のいる公園にパトカーのサイレン音が近づいてくる。 怖い。 僕は何故だかそう思ってしまった。 怖がることなんてないはずなのに。 そう考えていると、公園のそばに数台のパトカーが止まり、数人の警察官が公園内にやって来る。 なんなのだろう。 もしかして、僕の家族が心配して捜索届を出してくれたのかもしれない。 僕は助かるのか? 僕の心は少しだけ安心した。 そんな僕のところへ数人の警察官がやって来て、警察手帳を見せながら話しかけてきた。
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