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第一幕
踊りが終わると、天女は少年に言いました。
「約束通り踊らせていただきました。さあ、その羽衣を返してください」
しかし少年は首を横に振り、
「お姉さん、すごく綺麗だね。あのね、ぼくの家、弟と妹がいるけど、お父さんもお母さんも居ないんだ。ねえ、ぼくの家に来てよ」
天女は驚きましたが、少年の懇願するような目にほだされて、彼の家についていくことにしました。
そこには8歳ぐらいの女の子と6歳ぐらいの男の子がいました。ふたりは天女を見てきょとんとしています。
「お兄ちゃん、その女の人はだれ?」
「その人は誰なの?」
「この人はね、新しいお母さんだよ」
少年が言うと、弟と妹は天女になついてきました。それを見た彼女は一緒に住むことにしました。
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