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目の前にいるこの男・・・昨晩、いつかさんの部屋のドアノブから映し出された男と瓜二つだ。
たぶん・・・俺はこの男を知っている。
目の前にいるこの男の正体は・・・紛れもなく俺だ。しかも未来の・・・。
違和感はしなかった。
ほんの数日前、未来からジャンプしてきたという高校生になった二三さんが俺を頼ってきたばかりだから。
「お前、俺を見て驚かないのか?」
『べ、別に………』
「その口っぷりだと、俺が誰だか分かってるって感じだな」
『………』
よく、映画や漫画などで同一世界で本人同士が遭遇してしまうとビッグバンやら天変地異、はたまた死んでしまうなんて事をよく耳にしたりもするが、実際のところ、そんな事は起こりもしなかった。
「緊急事態なんでな!さっそくで悪いがお前の過去を探らせてもらうぞ!」
当然、未来から来たと思われる俺が、俺の頭部へと腕を伸ばしてきたので、俺は透かさずそれを払い除けると逆に未来の俺の胸ぐらを掴み上げこう言った。
『せめて事情ぐらい教えろ!』
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