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『つまり、いつかさんを暴走させないためには哲雄君の力が必要不可欠ってわけか……』
「ああ……俺は哲雄君からいつかさんの存在を消去してしまった事を今更ながらひどく後悔している。だから俺は哲雄君がいつかさんという最愛の女性をまだ覚えているとこまでジャンプしたいんだ」
未来の俺の言いたい事は理解したが、
『言いたい事は分かった……確かに過去を操作すれば自ずとその未来も変化する。けど、それが何を意味するのか分かって………』
「みなまで言うな………俺はもうこの無限ループから抜け出せないのを承知で過去にやって来たんだからさ………そうさ、俺が飛ぶ度に過去が変わり、未来も変わっていく。そして俺が飛んだ先には必ずもう一人の俺が何処かで存在していて………俺は死ぬまでこの無限のパラレルワールドって奴の中で彷徨い続けるしかないんだよ」
『………そうか。決心はついてたんだな』
「けどな、これだけは言える。始まりがあれば終わりがある。それと同じく入口が存在すれば出口も存在する。つまり結局のとこ、無限とも云えるパラレルワールドにも終わりや出口があるってことさ。ただそれがハッピーエンドで終わんのか、それともバッドエンドで終わんかが誰にも分からない………たったそれだけのことに過ぎないんだよ」
未来の俺の手が俺の頭に触れる。
『未来から来た二三さんにヨロシクな!』
「ああ!ちゃんと伝えておくよ」
こうして未来の俺は数日前に俺が出会った未来の二三さんの元まで飛んで行ったのである。
『ん?未来の俺の【落としもの】か?』
そこにはいつかさんの大好きな【プリティー青】がニッコリ微笑んでいた。
・・・続く
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