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「おれのーッ」
モグモグされてる~
だいすきな……
「おれのさくらもちぃぃー」
うわぁぁあアーんッ!!
「これでがまんな」
チュっ
おくちのうえ。
かぶさった花びらいろのおくちは、あまいあんこのあじがした。
なんで?
おにいちゃん
白い飛行機雲がにじんだ空
桃色の花が蒼穹に舞って、梢に緑色の葉っぱがいっぱい咲いた頃
おにいちゃんは、いなくなった。
なにもいわずに、おひっこしした。
……「あの時はいっぱい泣いたんだ」
「うん」
「突然いなくなって」
「うん」
「どうして?」
「すぐに会えると思ったから」
別れは告げなかった。
「お前は必ず夢を叶えると信じていた」
幼馴染みのあなたは操縦士。
俺はあなたの隣に座る副操縦士だ。
あの頃はまだ分からなかった。
でも今なら……
チュっ
あなたの桜色の唇に、唇を重ねた。
「お返しだ……」
悪戯な唇が埋められた場所。赤い花びらが散る。
Operation normal.
I have a control.
駆けろ、銀翼
蒼き海へ、高く
V1
Vr
V2
閃く影が重力の枷を抜ける。
「桃色に染まる大地を二人で見よう」
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