〇むすび

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「結菜、お客さんだよ」 「はーい」  元気よく返事をして明るい笑顔を見せた結菜だったが、客の着ている制服を見て一瞬だけ眉を寄せる。 「いらっしゃいませ、何にいたしましょうか?」  すぐに営業スマイルを作り接客すれば、客は結菜の変化には気付かなかったようだ。 「高菜のおむすび二つ」 「はい、ありがとうございます!」  客は結菜が通う高校の生徒だが、結菜のことはわからないようだ。  でも、結菜は違う。
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