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数学が嫌だ、原告は抜き打ちテストがあるらしいといった他愛もない会話を楽しんでいるうちに、学校へたどり着く。それから何事もなく授業が始まっては終わり、時間はお昼になった。
「本当に漢字テストあったね」
「最悪だった」
机を寄せて、お弁当を広げる。色とりどりのおかずが少女たちのお弁当箱を彩っている。
「結菜はまたおむすびだけ?」
そんな中、結菜のおむすびは異彩を放って目立っている。
「結菜の家はおむすび屋さんだからね」
「へぇ、おむすび屋さんってどんなの?」
結菜の家を知らなかった友人が興味本位で聞いてくる。
「普通だよ、普通。おばあちゃんがやってるの」
「行ってみたいな」
「い、いや~、女子高生が来るような店じゃないよ」
「そう? そういえば、昨日のテレビでさ――」
必死で阻止しようとする結菜に、友人はもう興味を無くしたようで話題が変わる。
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