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結菜だって本当は、良い店だから来てと胸を張って言いたい。
けれど、もし友人に店を悪く言われたらその後仲良くできる自信ないのだ。数年前に、陰でお店を笑う友人たちを見てしまってからは警戒心が強くなってしまっていた。
「おっ、うまそうだな。一つもらいっ」
「あっ!」
結菜が手にしているおむすびとは別のおむすびが横から伸びてきた手にさらわれる。
「美味い!」
「えっ、本当?」
おむすびを盗られたということより、感想が気になってしまった結菜が顔を上げると、そこにはクラスの人気グループに属する男子がいた。
「うん。力が出そう」
「これ、よかったらたくさんあるから」
ほんの何口かでおむすびを食べ終わってしまった男子に結菜は思わず言ってしまう。
机に広げていなかったが、結菜はまだ数個のおむすびを持ってきていた。
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