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テストのときと違い、自分の声や周りの声がちゃんと聞こえる。
周りも陽輔の先ほどとは全く違う声に、いい意味で刺激を受けているようだった。
「すいません。本当は優しくしたいんですけど……無理かもしれないです。」
まるで、自分が巨大な獣になって相手を捕食するような感覚。
陽輔の声に釣られ侑人の声、息も上がる。
「ちょ……まっ!ぅ……は…ぁ…」
これはセリフ
ただのセリフだ
キスもただのリップ音
本当に組み敷いているわけでも犯しているわけでもないはずなのに……
チラリと隣の侑人を見ると、少し怯えたような表情が見えた。
憧れの人に自分だけを見てほしい
他のことを考えられなくなってほしい
もっと啼かせて自分だけしか知らない姿を見たい
―――あぁ、ヤバい。もっとこの人を喘がせたい。
感情が亀井沢とリンクし陽輔の中で何かが弾け声に熱が籠る。
最後のシーンまで演じ切るころには二人とも汗だくになっていた。
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