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「……ミハルくん、あざとい。超なまいきだ」
「そんなことないですよ。ファンの前では頼もしい兄ですし。お姉さんがそういう反応しておれをそうさせるのがいけないんです。ほら、早く。慰めて」
「……もう」
ため息をつきながら、わたしはミハルくんを抱きしめる。
「……わたし、どちらかと言えば恋愛は敬遠してきたから、相手の気持ちを汲み取ることも伝え方も下手でごめんね」
「うん、わかりました。でもまだ足りないです」
「その、されたとき……イヤだったわけじゃないよ」
「んー、もう一声」
「敬遠はしてたけど、憧れたことがなかったとも言い切れなくて、あんなロマンチックじゃないのが初めてなのがなんかイヤだったの」
「それは、つまり?」
「つまり……やり直しがしたい?」
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