年下男子と…

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「なんで、疑問系?」 「そ、それは……」 「でも、正解です。よくできました」 そう言って、ミハルくんはわたしに抱きしめられたまま、わたしの頭を撫でた。それは子どもをあやす仕草にも感じ取れた。こんな高慢な言動をされてもあまりイラっとしないのは、惚れた弱みというやつなのだろうか。 「やり直しのシチュエーションに、リクエストはありますか?」 「シチュエーション?」 「お姉さんがロマンチックなのがお好みだって言うから、そのリクエストに答えようと思って」 「えっと……そういうのはべつにない。ロマンチックは言葉の綾だった。ただ、お互い酔ってない、シラフで意識がちゃんとしてるときにしたかっただけ、です」 「じゃあ、試しにやってみますか」 試しにやったら、のやり直しの意味がない気がしたけれど、ここは流されて知らないふりをすることにした。
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