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物語のテンポはとても心地よく進んでいった。
2つのストーリーが同時に進行していき、終盤になって、それが繋がっていることが判明。そして、最後に主人公が意味深な言葉を放って終わってしまった。終演後は、拍手がしばらく鳴り止まなかった。
コメディと言っていただけあって、終始笑いの絶えない内容で、初めてのせいか大声で笑ってしまう観客席に驚いた。
席が後ろの方だったから、役者さんの顔ははっきりと見えなかったけれど、疑問に思った点はある。
ーーーわたしの勘違いかもしれないけど、もしかして、ミズキくん、出てた……?
「…はぁ、結構おもしろかった」
「そうですね。新しい世界が知れました。ありがとうございます」
「楽しんでもらえたならよかった。やっぱり、明神さんを誘ってよかったです」
「こちらこそ、そう言っていただけて光栄です……」
「あ、このあと、少しだけ主宰に挨拶したいんだけど、明神さんはどうしますか?」
どうやら、役者の方が控え室に出てくるので、少し会話ができるらしい。そんなことができるのも、演劇の街ならではなんだとか。
「少し、気になったことがあるので、それを確認したら帰ります。お疲れさまでした」
「お疲れさま。ではまた」
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