止まったままの時間

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「…お姉さん、ちょっと!」 「えっ…」 仕事の帰り道。 最寄りの駅から家までの道のりを歩いていると、声をかけられる。 夕方6時を過ぎればすっかり日も落ちて、このあたりも夜の街に変貌してしまうわけで。 いかがわしい店のキャッチかと思って、無視しようとしたけれど、彼の顔がそうじゃないとわかり、わたしは足を止めた。 「あなたは……」 ーーーミズキくんの、お友達の… 「あ、そういえば名乗ってなかったんだっけ……えっと、おれはミズキの兄分かつ事務所の社長かつプロデューサーであり、マネージャーの信夫(しのぶ)です。苗字が信夫です」 「はぁ……どうも」 「って、そんな悠長なこと言ってられなかったんだ。お姉さん、ミズキに何をしたんですか?」 「えっ……?」
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