おひとりさま嗜好

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おひとりさま嗜好

中学生のとき、友人と映画を観る約束をしていたのに当日ドタキャンされ、仕方なくひとりで鑑賞したら、必ずしもだれかと一緒に過ごす必要はない穏やかさに目覚めてしまった。 高校に進学すると、わたしのおひとりさま活動は加速していった。映画以外にも、カラオケやショッピングなどもするように。 もちろん、友人との交流もあったけれど、自分だけの方が気楽でよかった。 さらに、大学生になってからは、周囲がふたり以上のグループ、あるいはカップルばかりの場所にひとりで行くことすら、何も感じなくなった。 その代表的な例として挙げるなら、遊園地や居酒屋などである。 わたしを哀れむような視線は、たまに感じていたけれど、気にするだけ無駄だと思う。だって、わたし自身が楽しんでいるのだから、問題は発生していない。そこに他者の意見は不要なのだ。
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