駅で寝る

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「ねえ、私のこと分かるでしょう?」 「はあ?知らねえよ、逆ナン?」 「あれ、勘違いだったかなー。知りあいに似てたから」 「俺、双子の兄が居るんだ。間違えたんじゃねえ?兄貴は(さとし)で俺は(みつる)だよ」  名前が分かった。出来れば姓も知りたいが切り出し方が分からない。聡の友達のふりをしてみよう。 「聡くんと連絡とりたいけどスマホを無くしちゃって電話番号が分からないの」 「あー、電話番号ね」  満はそう言って自分の持ってるスマホを見ながら電話番号を読み上げた。これを一応、警察に教えよう。財布が美裕のものかハッキリ分かるかもしれない。 「ねえ、ねえ、聡が好きなの?俺とも遊ぼうよ。今日はこれから予定はあるの?」 「私、約束があるから」  美裕はそう言ってスタバを出た。派出所に行って経緯(いきさつ)を話す。警官は調べてくれると言ってくれた。  約束の時間になりそうだったのでハチ公前に行く。琉太がつなぎから着替えてやって来た。 「あっ、早かったんだね」 「買い物が早く終わったから」 「寒くなかった?温かいところで待ち合わせすればよかったね。また風邪をひいちゃう」  美裕は自然に顔がほころぶ。そのときさっきの満が声を掛けて来た。
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