駅で寝る

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「さっきの女の子じゃん、なんだ彼氏が居たんだ。なんで電話番号を訊いてきたんだよ。てっきり兄貴に気があるんだと思った」  美裕はいきなりつめよられたので何も言えなくなった。琉太が満と美裕を交互に見る。 「違うの。財布……、私が落とした財布を持ってるからカマを掛けたの」  満は分かったようだ。「ふんっ」と言って財布を地面に叩きつけた。そのとき竜巻がおこった。満の髪の毛が逆立ってどんどん抜けていく。琉太を見ると瞳に青い炎がメラメラとしている。  満は「うわー」と言って逃げ出した。 「妖術を使っちゃった。僕、人間の姿になってる金狐なんだ。美裕ちゃん、嫌いになった?」 「ううん、あの、狐でも人間と食事って出来るの?」 「うん、だからお願いします」  美裕は真っ赤になった。
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