駅で寝る

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「金狐さんは電車でここに来たの?切符は?」 「ああ、葉っぱくらいだったら簡単に千円札に出来るよ。そうだ、葉っぱでマックに行こうか?僕、クーの白ブドウが飲みたい」  それは嬉しいけど美裕はここで眠りたい気持ちもある。五時半には始発が出るんだし。 「ここでいいよ。はっくしょん」 「あー、こんなところで横になってたから風邪をひいちゃったんだ。おでこ貸して」  金狐はそう言うと手のひらを美裕のおでこに当てた。美裕は心臓が飛び出しそうだ。男の子に顔を触られるのなんて初めてだ。 「ちょっ、大丈夫だから」 「ダメだよ。熱い。寒気はしない?」  美裕はライブが始まる前にゾクゾクしたことを思い出した。あれが熱が出る前兆だったんだな。そのあと盛り上がったのですっかり忘れていた。  金狐はポケットからハンカチを出して何やら難しい言葉も唱えた。ハンカチの中に氷が現れた。
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