駅で寝る

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 目を覚ましたら金狐がいなくなっていた。時間を確認すると五時半だ。もう直ぐ始発が出る。美裕は券売機に行って切符を買った。これで持っているお金は無くなった。  美裕はもう空いたペットボトルを大事に持っていた。金狐が優しくてカッコよかったからまた会いたいという気持ちがあった。熱のせいで寝てしまったが風邪をひいてなかったら金狐にドキドキして眠るどころじゃなかったろう。  シルバーにオレンジと緑のラインが入った電車に乗る。椅子に座ってスマホを確認した。こんなに早く起きてる友達はいない。誰からもメールやラインが来てなかった。  美裕は考えた。来週になったらまた渋谷に行って、お稲荷さんにお参りしようか。なにかお供え物を持って行ってあげよう。稲荷ずしがいいのかな。それともお賽銭をあげた方がいいのだろうか。確か(ほこら)の前にお賽銭箱があった。  家がある駅に着く。自転車に乗って家に向かった。この辺は坂がある。美裕はたまに立ち漕ぎをして坂を上る。
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