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カミのぼやき
こんな小さな神社にも、願い事をしに日々誰かしらやってくる。
成績が上がりますように。
――勉強さっぱりしねぇくせに。神頼みしてる時間があるなら勉強しろよ!
宝くじ当たりますように。
――まずは真面目に働こうか。
あの嘘がバレませんように。
――なんだよ嘘って?嘘はバレるぞ。バレる前にさっさと謝れ!
周りに聞こえないことをいいことに、好き勝手な願いをするやつらは大勢いる。
そんなやつらの願いに、悪態をつくのが俺の日課だ。
佐藤君と付き合えますように。
鈴木さんと付き合えますように。
――ん?
祈っていたのは、制服を着た男子と女子。
「鈴木さんは何をお願いしたの?」
「えっ!高校受かりますように、って」
「あ、俺も一緒……」
――いやいや、君たちとっくに両思いですけどー!
あぁ、なんてもどかしい……ひとり勝手にモヤモヤする。
――おや?
最近、よく見かける男の子が境内にやってきた。
神さま、お願いです!おじいちゃんの病気治してください!
悲痛な声が俺の頭の中で響く。
訪れる回数も手を合わせる時間の長さもかなり増えた。
おじいさんの症状が悪化しているのだろう。
けれど……
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