君がいないこの世界で

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君がいないこの世界で

『ねぇ、また会おうね。』 笑って君が言った。 『もうお別れの時間なの?』 まだ一緒にいたいと言えない僕がいた。 『うん、そろそろね、朝が来るから。私はここにいちゃいけないんだ。』 朝?今は夕方、日が暮れてきた頃だろう? 『次はいつ会えるかな?』 明日も会いたい、だなんて口が裂けても言えない。だって…言ったらまるで、好きだと言ってるようじゃないか。 『うーん、来月かなっ!次の満月の日にまた会おう!』 そう言って君は笑った。 「──!─きなさい!いつまで寝てるの!遅刻するわよ、起きなさい!」 ジリリリリッとうるさい目覚まし時計と母さんの声で目が覚める。あぁ、そうか、あれは夢だったんだ…。自然と涙が溢れてくる。 「何、またあの子の夢を見たの?」 カーテンを開けながら母さんが言う。僕はうん、と言いながらパジャマを脱いで制服に袖を通す。 「また、あの子の夢。去年から、ずっと。」 特にこの時期になるとより鮮明に思い出される。ボーっとしながら着替えてる僕に 「さっさと着替えて、朝ご飯食べなさい!」 とだけ言って母さんは居間に降りていった。今年も、あの日が近づいてくる。少し憂鬱になりながらもご飯を食べ、いつも通り余裕を持って家を出る。学校へ向かう途中、幼馴染のハルカと落ち合い、話をしながら学校へ向かう。いつものパターンだ。 「なぁ、今月、あいつ来たか?」 ハルカが言ってきた。 「うん、今日来たかな。」 残念そうにハルカがため息をつく。 「はぁぁぁ、夢が三人で見られたら良かったのにな。」 ほんとにね、と笑って返す。嘘だ、僕はあの子と二人の夢がいい。こんなことを思うのは、きっと心が狭いのだろう。ハルカに心の中で謝りながら、話を続ける。 「今年も、近づいてきたね」 「だな」 「どうする?今年も二家族で行くか?」 「うーん、そうだなぁ…、一応帰りにあの子の家に寄って聞いてみるよ。」 「わかった。」 ハルカは多分、わかってる。なぜ僕があの子の名前を呼べないのか。好きだってことも、バレてるだろうな。幼馴染には隠せない。そんなこんなで、学校に着く。またいつも通りの一日が始まる。 キーンコーンカーンコーン… 「はーい、今日の授業はここまでです、復習、ちゃんとするんですよ〜」 片付けをしながら先生が言う。 帰りのホームルームの時、僕はボーッと、今からあの子の家に行くことを考えていた。 「──!おい、今日部活行くのかって聞いてんだよ!」 「あ、ごめん。今日は用事があるからパスで。」 「りょーかい。」 部活仲間に欠席の旨を伝え、僕は帰路につく。 「ただいまー」 誰もいない家に言ってみる。当然、返事はない。僕は、日が暮れる前に、と制服を急いで脱ぎ、私服に着替える。パーカーにジーンズといった、特に何の変哲もない格好だ。再び、誰もいない家に 「行ってきます」 と告げ、僕はあの子の家に向かう。 ピンポーン はぁい、と中から声が聞こえる。インターホンが繋がって、 「どちら様?って、あぁ、──君じゃない!いらっしゃい、今開けるわね。」 ガチャっと玄関の開く音がして、おばさんが出てくる。 「こんにちは、挨拶させてもらいに来ました。」 「久しぶりね、そんなに畏まらなくていいわよ。さ、上がって上がって。」 家の中にお邪魔させてもらうと、あの頃と同じインテリアが、同じ配置に置いてある。ここの「時」はあの時から変わってないんだ。来る度にそう思う。居間に通され、お茶菓子とお茶を頂く。これも、あの時から毎年のことだ。 「今年は、どうしますか?一応、ハルカ達の一家と僕の家族は行く予定ですが…」 おばさんは少し困ったような顔をする。 「お父さんがね、最近ようやく、ちょっとだけど笑うようになったの。あの子は笑顔が好きだったからって。私達家族には、多分、もう少し時間が必要なんだと思うの。だから、今年も。ごめんなさいね。」 「いえいえ、わかりました。掃除とかお花を変えるのは任せてください。今年も、あの花でいいですか?」 「えぇ、ありがとう。」 「お菓子、ご馳走様です。帰る前に手を合わせていっても?」 「もちろんよ。こっちにいらっしゃい。」 おばさんに連れられ、居間の奥の仏壇に通される。 「ほら、──君が来てくれたわよ、よかったね。」 じゃあ、私は夕ご飯を作らなきゃいけないからと、おばさんは僕を残して居間に戻って行った。 「昨日は来てくれてありがとう。来月はハルカの方に行くのかな?ハルカも会いたがってたよ。…」 自分の気持ちは隠したまま、他愛もない話をする。 「今日はありがとうございました。」 「いえいえ、こちらこそ、あまりお構いもせずに…」 おばさんと別れ、家路につく。あの子がいた頃は、この時期、冬にみんなで行く旅行の計画を立ててる頃なのに。あの子がいなくなってから、あの子の家族は時間が止まっている。 「ただいまー」 「おかえりー」 今度は、返事をする家に帰ってきたみたいだった。辺りはもう暗くなっている。そこからいつもと同じようにご飯を食べて、お風呂に入って、少し勉強をしていた。数学をしている時にふと、あの子が言っていたことを思い出す。 『未来では、記憶をセーブしたり出来るようになるかな?ロードまで出来るといいんだけど。そしたらさ、授業中に理解したことをセーブして、テストで使える!』 そんなことも言ってたなぁと、思い出して苦笑する。 「入るわよー、え、何、なんで笑ってるの?」 突然、母さんが入ってきて少し引いた目をしている。 「だからさ、何度も言ってるけど、部屋に入る時はノックしてよ…」 「あー、はいはい、忘れてましたごめんなさいー。 ところでもう0時も近いし、ねなさい?明日起きれなくなるわよ。」 わかったよ、と言って、僕はベッドに入る。 「電気、消すわよ?」 「うん。おやすみ。」 「おやすみ。」 電気が消える。暗くなる。あの日に近づくと、あの日の夢を見る。僕とハルカが、あの子を助けきれなかった日の夢を… 「ねぇ、川の真ん中辺りになにか居ない?」 あの子が言った。 「「え?」」 僕とハルカが川を見てみる。ほんとだ、確かに何かいる…気がする。けど目が悪くて見えない… 「あ、あれ、わんこだ。なんであんな所に… ちょっと私行ってくる!」 僕とハルカが止める隙もなく、あの子は川原へ降りていって、制服を脱いで、下に着ていた体操着だけになって、川へ入った。犬は川の真ん中辺りで動けなくなったようで、ずっと動かないままだ。 「ほら!こっちにおいで!もう大丈夫だから!」 あの子は叫ぶ。犬は怖がって、あの子の方へ行こうとしない。 「ほら、あともうちょっと。こっちにおいで!」 流れが早いのか、顔を歪めながら、振り絞ったような声であの子が叫ぶ。ここでようやく、僕とハルカは状況がまずいことに気づいた。周りに人はいない。 「おい、これやばいんじゃ…」 「僕はあの子を見てる、助けれそうなら助ける。ハルカは人を呼んできて。あと、消防に電話。」 「わかった。行ってくる。」 ハルカが走って人を呼びに行く。僕は、制服を上だけ脱いで、なるべく着衣を少なくして、川に入る。 「ねぇ!消防がもう少しで来るから!犬のことは大人に任せよう!」 あの子が振り向く。 「わかった。そっちに一旦戻る。」 「いや、動けないでしょ。もうそこから動かないで…」 僕が言い終わる前にあの子は動いた。そこからは早かった。足を滑らせ、体勢が崩れるあの子、伸ばしてきた手を僕は必死に掴もうとする。掴もうとした手は、空を切った。あの子が流れていく。追いかける、川の中を、走る。泳げるはずのあの子は、まるで木の葉のように簡単に流されていく。追いつかない、最悪の可能性が頭をよぎる。遠くからサイレンの音が聞こえる。そこからの僕の記憶はない。 目が覚めると病院で、両親が泣き腫らした顔をしていた。僕の目が覚めたのを知ると、父さんは先生を呼びに行った。 「馬鹿!馬鹿!馬鹿!この馬鹿息子!!!」 叫びながら母さんが泣く。一瞬で、記憶が戻る。 「ねぇ、あの子は?」 「…」 「消防の人、助けてくれたよね?」 「…」 「ハルカは?そうだ、ハルカはどこ?あいつなら、事情知ってるし話がわかるかな。」 「…あのね、助かったのはあなただけなの。消防の人が来た時には、あなたしか溺れてなかったんだって。ハルカ君がもう一人いるはずだって言うまで、探されなかった。」 察した。言わんとしていることを。信じたくないことを、察した。 「…」 「それで、二日かけて捜索が行われたの。あの子は…下流の方で見つかったわ。息は引き取っていたって聞いてる。」 「…嘘…だよね?」 母さんが首を横に振る。 「僕が…僕の、消防を呼ぶ判断が遅かったから…?」 「あの日は川の真ん中の辺りは流れが特に早かったそうなの。そんなことない、とは言えないけど、それだけでは無いと思うわ。」 そこからは、僕が目を覚ましたと聞いて警察の人が来たり、ハルカが来たり、忙しかった。ハルカも、げっそりしていた。泣いても戻ってこないと知っていたけど、二人で泣いた。自分が悪かった、いや、自分の方が悪かったとお互い、自分を責めながら。当然、あの子は戻ってこない。 しばらくして、やせ細ったおばさんがあの子の遺品を持ってきた。 「これ、多分あなたに渡すつもりだったんだと思うから、読んであげて。」 それだけ言って、おばさんは帰って行った。 おばさんに渡されたのは、一通の手紙。 中身は… 「──君へ なんで私の名前をそうやって呼ぶの?──君が呼んでくれたら、喜んで私は呼び返すのに。」 差出人の名前は書かれていない。出すつもりもなさそうな、よくわからない内容だった。 「起きなさい!遅刻するわよ!あと五分あと五分って言ってもう学校が始まる三十分前よ!」 起きた時、泣いていた。そうか、またあの時の夢を…あの子の夢を…。僕は未だにあの文章の謎が解けていない。 涙を拭い、パジャマを脱ぎ捨て、急いで制服に着替える。玄関を出るところで母さんに食パンを渡され、それを持って家を出た。 「行ってきます」 食べながら、早歩きで学校に向かう。焼いてくれてもいいじゃん…とか、そんなことより、僕は今、あの時の手紙の謎の方が気になっていた。早足で歩いているとハルカに追いついた、 「おはよ、ハルカ。」 「あぁ、おはよ。」 瞬間、何かがもやっとする。 「なぁ、ちょっと今のもう一回やっていいか?」 「え?何のために…いやまぁいいけど…」 「おはよ、ハルカ。」 「おはよ。」 「………わかった。」 「え?」 「ごめん、ありがとう。ちょっと謎が解けた。」 「ん?よくわからないけど…よかったな?」 「うん」 キーンコーンカーンコーン… 「──!今日は部活行くよな?」 「ごめん!今日も用事があるんだ!パス!」 チャイムとともに立ち上がり、僕は走った。あの子が戻らなくなってから今まで、僕とハルカはおばさんおじさんに、制服姿で会いに行ったことはなかった。 でも、今は、着替えるよりも、先に、あの子に会いに行きたかった。 ピンポーン… 「こんにちは!──です!すみません、あの子に会わせて下さい!」 「こんにちは、…って、珍しいわね… いいわよ、上がって。」 「すみません、今から、ちょっと一世一代の気恥しいこと言うので、聞かないで貰えると助かります。」 「?わかったわ。じゃあ、私は買い物に行ってくるから。帰ってくるまで、家にいてね。あ、今日は二階にお父さんいるから。静かめにね。」 「わかりました、ありがとうございます。」 昨日、いや、毎年行っているから分かる。仏壇まで、真っ直ぐに歩く。きっとあの手紙の謎は解けたはず。僕は今から… 「昨日ぶりだね、手紙の謎、やっと解けたよ。 答え合わせの前に聞いて欲しいことがあるんだ。 僕はずっと、ずっと、好きだった。 ミクのことが好きなんだ! いなくなってからも、ずっとミクが好きだった。 お願いがあるんだ。もし、これが答えなら、今日の夢に出てきてくれない?頼むから。」 そこまで言って、気恥しくなって、居間に戻った。お父さんがいた。お父さんは、制服姿の僕に一瞬、驚いた顔をして、いらっしゃい、と言った。 「おじさん、制服で来てごめんなさい。あの時、ミクを救えなくてごめんなさい。おじさんとおばさんが、ずっと苦しんでたの、知ってます。ごめんなさいで済む話じゃないけど、本当に、ごめんなさい。 でも今日は、どうしてもミクに会いたかったんです。一刻も早く、ミクに想いを伝えたかった。二年間、どこにも行き場のないミクへの想いを抱えていました。今、ミクに告白してきました。 おじさん、あの時は、謝っても謝りきれないけど、ごめんなさい。ミクがもし返事をくれたら、僕はミクのこと、好きでいていいですか?」 一気に、自分でも何を言っているのか分からなくなるくらい早口で言う。おじさんは僕の気迫に押されたようだったけど、 「あの時のことは、君は何も悪くないよ。君のせいだと思っていたら、私達は君を家にあげたりなんかしない。ミクに手を合わせることも絶対にさせない。 君は悪くないんだよ。 もし、ミクが君のことを好きだったら、私達は喜んで君達の恋を応援するよ。 君は悪くない、ハルカ君も悪くないんだ。誰も悪くないんだ。」 「ただいま〜って、あぁ、お父さん!突然降りてきたらびっくりするでしょう?」 おばさんが帰ってくる。 「ごめんごめん、何だか、今、降りなきゃ行けないような気がしたんだ。」 「全くもう…」 と言いながらも、制服姿の僕と話すおじさんの姿をみたおばさんは、少し嬉しそうだった。 「あ、じゃあ僕はこの辺で… 今日はいきなり、すみませんでした。」 「いいのよ、こちらこそ、お構いも出来ずにごめんなさいね。」 僕はまた帰路につく。昨日と同じ道が、違う道に見える。きっと、僕の出した答えは合っている。そんな自信があった。 家に帰って、ただいまと言って、ご飯を食べたら、すぐに布団に入った。 『やっと、謎を解いてくれたんだね!』 ふふっと笑いながら、あの子が言う。いや、もう、あの子じゃない。 『気づくのが遅くなってごめん、ミク。』 『いいんだよ、元々、あの手紙自体渡すつもり無かったし。』 恥ずかしそうにミクが言う。 『お母さんが勝手に渡しちゃった時はもう、そりゃぁ焦ったよ〜、でも、解いてくれたから、よかった。』 『うん、ここに来てくれたってことは、合ってたんだね。』 『そうだよ、私はずっと、ハルカを呼び捨てにするみたいに、呼び捨てにされたかったの。あと、私も呼び捨てにしたかった。なんでか分かる?ハヤト。』 『わからない。ただ、自惚れかもしれないけど、想いを伝えたら、上手くいく気がしたんだ。』 『ほんっとに自惚れだけどね、自惚れていいんだよ。』 『私も好き、ハヤトのことが好き。 あの時は、ハヤト達を傷つけちゃってごめんなさい。』 『いいんだよ、僕の方こそ、判断が遅くてごめん。』 『ううん、ハヤトは悪くないよ。私が、周りを見ずに動いちゃったからいけないの。』 『誰も悪くないよ。おじさんも言ってた。あの時のことは、誰も悪くないんだ。 ところで、両思いってことで…いいのかな?僕はミクのことを好きでいていいの?』 『両思いだね。 でもね、付き合うことは出来ないよ。だって、私死んでるもん。』 『構わない、たまにでも、夢の中で会えるならそれで良い。』 『良くないよ。ハヤトにはこれから、別の人と幸せになってほしいの。 ねぇ、女友達に聞いた事、試していい?』 『?いいよ』 頬を平手打ちされるか?と少し身構える。っと、その瞬間、ミクが僕の方に倒れ込んできた。僕の頭をそっと自分の手で覆い、二人で地面に倒れ込む。 『えへへ、これ、やってみたかったんだよね。 床ドンって言うんだって。』 『びっくりしたぁ、多分ね、こんなに激しいやつじゃないと思うよ?』 『そうなの?でもまぁ、この方がドキドキしてくれるって聞いた!』 ミクが片足を僕の足の間に挟んでくる。逃げられない。 『ねぇ、ハヤト。 好きだよ、私も、ずっと前から好きだった。』 すごく…どきどきする。 『顔赤いよ、ハヤトったら照れちゃって可愛い〜』 『ミクも赤くなってるよ』 『だって、こんな事言うの初めてだもん。 友達が言うには、床ドンは最終兵器なんだって。相手にかいしんのいちげき!って感じのダメージを与えたい時にやるんだって言ってた。 どう?私のかいしんのいちげきは。』 『もうHPゼロだよ…』 『やった!効いたんだ!』 喜ぶミクの体が薄れ始める。 『そろそろ…時間みたいだね。』 『そうだね。』 『また、会えるかな?』 『夢の中ではもう会えないよ、私はもう、会いにこない。 だからね、他のいい人を探して? ハヤトが幸せになることが、私の望みだから。』 『今すぐにうんとは言えないけど、頑張ってみるよ。』 そう言って、ミクを抱きしめる。 『ふぁ!?え??』 『だってもう、会えないんだろ。これくらい、許してよ。』 『大丈夫、いつかまた、会いに来るよ。』 「ハヤトー!起きな!さっさと朝ごはんを食べて学校に行きなさい!」 起きた時、涙は流れていなかった。全てが終わった気がした。 「わかったー!すぐ行くー!」 パジャマを脱いで、制服に袖を通す。また、いつもと同じ一日の始まりだ。 目が覚めると、妻と娘に囲まれていた。 「パーパ、おーきーてー」 「あなた、ご飯できてるわよ〜」 「日曜日くらいゆっくり寝かせてくれぇ…」 「だーめ、パパもいっしょにまほうしょうじょみるの!」 「えー、わかったよもう…」 三人で居間に降りる。ちょうど、娘の見たい幼児番組が始まったところみたいだった。 「おんなのこは〜♪せいぎのみかたの〜♪」 娘が楽しそうに歌う。CMの間に、娘が 「パパはそこにいて!わたし、ピンクやるから!いくよー!」 と言って突進してきた。慌てて左手で自分の頭を、右手で娘を抱き抱えるが間に合わず…倒れ込んでしまった。 「ひっさつ!かいしんのいちげき!」 ドーン、と、左胸に銃の形をした手を突きつけ、撃たれた。 「うっ…やら…れた…」 せっかくの日曜日だし、遊びにのってみる。 「えへへ〜、かいしんのいちげきは、さいしゅうへいき、なんだよ!」 娘が笑ってそう言った。
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