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3年後、春。
河川敷のグラウンドで頭部死球をしてしまった彼、反町烈は黒の学ランに見を包み、高校生活2日目を迎えていた。
あの1件から投手としてイップスに陥り、まともにコントロールができなくなっていた。
体格は185センチ、ガッチリとした体つきで、野球選手としては恵まれている。
彼の黒髪はロン毛とまではいかないが長髪。
顔立ちは細面ですっきりとしている。
本人は中の上程だと思っていた。
投球イップスになってから、ややグレかけていたが、野球は続けていた。
「暇だな……」
山王学園になんとか入学できた烈だったが、勉強は得意な方ではなかった。
昼休み、購買で買ったコロッケパンをかじりながら、中庭のベンチでコーラを飲んでいた。
「やってけんのかなぁ」
烈の呟き、高校生活に先の見えない不安を感じていた。
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