第1話【やり直そうじゃない】

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 3年後、春。  河川敷のグラウンドで頭部死球をしてしまった彼、反町烈(そりまちれつ)は黒の学ランに見を包み、高校生活2日目を迎えていた。  あの1件から投手としてイップスに陥り、まともにコントロールができなくなっていた。  体格は185センチ、ガッチリとした体つきで、野球選手としては恵まれている。  彼の黒髪はロン毛とまではいかないが長髪。  顔立ちは細面ですっきりとしている。  本人は中の上程だと思っていた。  投球イップスになってから、ややグレかけていたが、野球は続けていた。 「暇だな……」  山王学園になんとか入学できた烈だったが、勉強は得意な方ではなかった。  昼休み、購買で買ったコロッケパンをかじりながら、中庭のベンチでコーラを飲んでいた。 「やってけんのかなぁ」  烈の呟き、高校生活に先の見えない不安を感じていた。
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