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目覚めると保健室のベットに寝ていた。白い天井が先程見た空間の続きのようだ。
「生きてる……」
頭に鈍い痛みが残っていたものの、無事この世に戻ってきていたことに安堵した。
ベットから降り、室内を見渡すと、一人の野球部員が申し訳なさそうに座っていた。
「本当にすいませんでした。俺は野球部のキャプテンをやっている者で田中と言います。病院は行かなくて大丈夫ですか?」
キャプテンは本当に心配しているようで、顔色が青い。
「あ、意外と大丈夫みたいです。それより、自分、野球部に入部したいんですけど」
烈はさっき見た夢を信じていた。
イップスは治っていると……。
「君、ガタイいいし、野球やっていたんだよね。大歓迎だよ。無理じゃなきゃ見学だけでもおいでよ」
キャプテン田中は保健の先生に見学くらいならいいですよね?と確認をとっていた。
「大丈夫だってさ。さあ行こうか」
田中に促されて、再びグラウンドに降り立った。
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