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田中の紹介で野球部員に挨拶する。
烈は部員を数えると、4人しか居なかった。部として存続もあやしい。
ジャージ姿の小津と目が合った。彼女はややひきつった表情で立っていた。
ベンチに座るようにいわれ、バッティング練習を眺める。
天気もよく球音が耳に心地よかった。
「なぁ、内緒だけど、キャッチボールしようよ。その位なら大丈夫だろうしね」
ニカッと笑み、田中がグラブを差し出した。
「あの、自分左利きなんで、左用ありますか?」
おずおずと烈がいうと、田中はあぁあるよといって、小津に取ってきてもらえるように頼んでいた。
小津は分かりましたと部室に行ったようだ。
しばらくすると、胸を揺らしながら小津が戻ってきた。
「ありがとうございます」
烈の視線はお礼の次にオッパイへと注がれていた。
小津からの灼熱光線のような鋭い圧のような視線を感じる。
「さぁ、やろう!」
田中が距離を取り、軽く硬球を放ってきた。
烈はグラブに収めた……はずだった。ポロリと落としてしまう。
(あれ?何か違和感があるな……)
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