第1話【やり直そうじゃない】

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 田中の紹介で野球部員に挨拶する。  烈は部員を数えると、4人しか居なかった。部として存続もあやしい。  ジャージ姿の小津と目が合った。彼女はややひきつった表情で立っていた。  ベンチに座るようにいわれ、バッティング練習を眺める。  天気もよく球音が耳に心地よかった。 「なぁ、内緒だけど、キャッチボールしようよ。その位なら大丈夫だろうしね」  ニカッと笑み、田中がグラブを差し出した。 「あの、自分左利きなんで、左用ありますか?」  おずおずと烈がいうと、田中はあぁあるよといって、小津に取ってきてもらえるように頼んでいた。  小津は分かりましたと部室に行ったようだ。  しばらくすると、胸を揺らしながら小津が戻ってきた。 「ありがとうございます」  烈の視線はお礼の次にオッパイへと注がれていた。  小津からの灼熱光線のような鋭い圧のような視線を感じる。 「さぁ、やろう!」  田中が距離を取り、軽く硬球を放ってきた。  烈はグラブに収めた……はずだった。ポロリと落としてしまう。 (あれ?何か違和感があるな……)
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