魔王城での目覚め

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 昨日、見た時点………記憶が正しければ、魔族故なのか?魔王も、その息子達も、かなりの美形だった。  それこそ、名だたる美女も美少女も選り取りだろう。何も好き好んで、三十路前のオッサンを選ぶ必要なんか、全く・全然・ちっとも、一ミクロンさえも存在しない。     -俺、帰ってもいいですか?-  わかんないけど、帰る方法なんかわかんないけど!と言うより、帰る方法があるのかすら、微妙なんですが………。  よしんば、あったとしてもだ。今の状況じゃ、どうにもならんがな。現在の俺の状況は『囚われのお姫様(偽)』的なものだから。 -取り敢えず、寝かされていたベッドから降りよう。大きさからして、ダブルベッドだと思うが、必要か?  男であっても、セミダブルで充分だろう………自分だけなら。まぁ、結婚後は、ダブルベッドを買うつもりだったけど………。  ベッドから降りて、漸く、違和感に気付く。見覚えのない場所だったし、ベッドの上だったから、今の今まで気付かなかったけれど。  何となく、今までより目線が低い気がする。部屋がバカに広いとか、天井がやけに高いとかじゃなく……………。本当に俺自身の目線が低いのだ。
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