魔王城での目覚め

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 うん。そこはまぁ、いいとして。妃だの妻だの嫁だの云々ってのとは、また話が別なわけだけども。  いや、でも待てよ。他の二人の息子の内、どちらかと結婚すれば、ナートは俺の義弟(おとうと)になるのか?  いや!だから落ち着け、俺!一旦、冷静になるんだ、うん。深呼吸しようか。すーはー、すーはー。うん、よし。  冷静になって考えても、やっぱり〝結婚〟はない、ないったらない!確かに、結婚予定ではあったよ?でも、それは彼女とであって、魔王やその息子どもとではない。  ナートはいい子だと思うけれど、それだけだ。ナートみたいな弟が欲しかったな~、とは思うケド。  それはやっぱり、結局『ないものねだり』なのだと思うし………。と言うかさ、ナートも含めて、魔王とその息子どもは、どうして俺を妃やら妻やら嫁やらに欲しいわけ?  もっと、魔王妃とか魔王子妃とかに相応しい魔族(♀)は、わんさかいるだろうに………。  人間の伴侶が欲しいのだとしても、普通に聖女やらお姫様を攫ってくればいいだけの話だ。  男の伴侶が欲しいんだとしても、いくら勇者(仮)だとしても、俺でなくてはならない理由なんかないだろう。
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