魔王城での目覚め

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 そう。何が悲しくて、三十路前のオッサンを選んだのか?いや、若返ってるみたいだけれども!顔は俺のまま………と言うか俺の若い頃のままなので、絶世の美少年、と言うほどでもない。  自分で言うのも何だが、俺は結構〝イケメン〟と言うか、整った顔立ちをしている方だと思う。  いや、自惚れではなくて。小さい頃から、周囲の人間に可愛いだの、将来有望だのと言われ続けて来たのだ。  自分を客観的に認識した視点で見てみれば、確かにそうなのだろうとも思うわけだ。にしても、だ。ナートは元より、魔王達は、それこそ次元が違うイケメンさだ。  俺は〝イケメン〟と言っても差し支えはないのだろうが………〝美形〟と言うのは過言だろう。  しかし、魔王達は〝美形〟と言っても過言ではない。頭に〝超絶〟と付いても可笑しくないほどだったから。  だからこそ。名だたる美女や美少女なんか、選り取りだろうに………。いくら、俺が自他共に認める『中性的』な顔でも、躰は男。まぁ、この頃は多少華奢だったのは、ともかくとしても、だ。  当然ながら、豊満な胸があるわけでもなし、美しい稜線を描くような体型なわけでもない。 -間違いようもなく、心身共に『男』なのだ-
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