謁見の間にて

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 と言うか。俺をで見てるのは魔王だけじゃなく、長男も次男も同じことなんだけどな。  俺を気遣うように見つめているナートの瞳だけは、熱も邪気もなく『可愛い』の一言に尽きる。うん、わんこっぽい。この子は愛でるべきだ。  ナートならば、ともかく。魔王は勿論、長男と次男の近くに行くのも遠慮したい。  ナートは『悪いようにはしないから』と言っていた。うん、ナートはそう思ってるんだろう……………だけれども…………… -ノンケ(おれ)が男に求婚されることが、どれだけ  の精神的苦痛か、察して頂きたいのだが-  そもそも、だ。超絶美形が、俺程度に求婚するってどうなんだ?昨日もそうだったけど、奴等は俺を『綺麗』だの何だのと評した。  いやいや。あんたらの方が、よっぽど美形だよ。確かに『綺麗』とは言い難いんだろうが、凄いイケメンであることは間違いないのだ。  やっぱり、美形率がバカ高い。何コレ………異世界、超(こえ)ぇ………。
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