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ストーリー
私は黒い本を鞄に入れて、万引をしたかのような気分でその図書館を後にした。
この図書館は、誠実な本好きしか来ない図書館だから、何を借りたかチェックしなくても必ず帰ってくる。
その為その黒い本も見せずにすんだ。
別に見せたくないわけではないけど、なんとなくそんなに簡単な話じゃない気がする。
私は歩く速度を少し早め、後ろから誰も付いてきていないかを確認した。
誰もいない
少しだけホッとして胸を撫でおろした。
家に付くといつもどおり部屋へこもり、鞄から本を出すと1ページ目を開いた。
題名は…
いつもなら開いて1ページ目ぐらいに題名は必ず入れてあるのだけれど、そこにはペン書きでこう書かれていた。
『2019年第5回』
何これ
もしかしたら中身はアルバム的なものかもしれない。
私は少しガッカリしながら次のページを開いた__
『死人9人、生存者1人』
またペン書きでこう書かれていた。
普通アルバムだったらこんなこと書かないよね?
少しずつ耳に届く心臓の音、この本は何なの?
私は意を決して次のページを開いた___
「ホッ、よかった」
そこには文字が印刷されていて、ちゃんとストーリーがあった。
なぁんだ
私はこの面白さにニコニコしながら、物語を読んだ。
この物語は
『人狼ゲーム』についてだった…
それも過去に起こった本物のゲームだったなんて、私は知らなかった。
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