友情と愛情④

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「ただいまです……あ」 昨日までとは違うスッキリした顔で三宅家の玄関に立った俺は、玄関に揃えられている3つの靴に気が付く。 「もう2人とも戻ってるんだ」 昨日の夜から今日の朝にかけて本家に出かけていたという青嵐さんと桜貴は、やっと帰ってきたようだった。 ガチャッとリビングへのドアを開けば、久しぶりな気がする青嵐さんと桜貴、紅葉さんの揃った姿が。 ここしばらくみんなを避けていたせいで、なんだか顔をじっくり見れるのも懐かしい。 「あ、おかえり葵!」 「うん、ただいま……あ」 元気な桜貴の声に喜びを感じたのも束の間、そういえば紅葉さんに告げ口した犯人なのを思い出した。 抑えきれずピクンと引き攣る俺のこめかみを見て、紅葉さんがぶふっと笑い出す。 桜貴め、あとで覚悟しておくんだな! お兄ちゃんのお説教コースなんだから。 心の中で決意していると、 「なんだか久しぶりだな、元気か?」 青嵐さんに相変わらず穏やかに声を掛けられる。 はい!と笑顔で答えれば、それならよかったとくしゃっと頭を撫でられた。 あぁなんか、青嵐さんのなでなでにまで懐かしさを感じる。 よかった。色々あったけど、きっとこれでいつも通り。 やっと今まで通りの三宅家の日常が戻ってきたことが嬉しくって、思わず笑みが溢れた。
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