訳あり同居なのに結婚してしまいました

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ようやく歯磨きを終えて寝室へ行こうとすると、ふいに玄関の開く音が聞こえた。私はそれを聞こえないふりをしようとしたのに、目ざとくすずが飛び出していく。 「パパだ!」 ため息が出そうになるのを必死に押さえ、私はすずと共にリビングで待った。 こんな気持ちで圭佑さんに会うのはすごく嫌だが、すずの手前逃げ出す訳にもいかない。 ガチャリと扉が開くと共に入ってきた圭佑さんは、何故か大きな花束を抱えている。 「パパなにもってるー?」 すずがピョンピョン跳ぶのを無視し、圭佑さんは突然私の前に膝まずいた。 「美咲、結婚してください。」 そう言って差し出された花束は完全に私に向けられている。 「えっと、……私に? ……もしかしてこれを買いに行っていた……の?」 恐る恐る聞くと、圭佑さんはとびきり真剣でそして甘い微笑みを浮かべた。
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