エピローグ

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と、同時にかかってきた電話に私は泣きそうになった。 「もしもし……。」 「美咲?今どこにいる?」 「まだ家にいる。……お腹痛いよ。」 「すぐ帰るから。先に病院行く?」 痛みの感覚はまだ10分だ。 これは陣痛の始まりの目安だとマタニティ教室で習った。ここから産まれるまでまだ何時間もかかることも、特に初産は時間がかかるということも、知識としては知っている。 「待ってるから早く帰って来て。」 「わかった。」 まだこれから出産という大仕事が控えているのに、すでにめげそうになっている自分を必死に奮い立たせる。 グズグズと半分泣きながら待っているとすぐに圭佑さんは帰ってきてくれ、私は圭佑さんに支えられながら病院へ送ってもらった。 圭佑さんが横にいるというだけで安心感が全然違う。結婚してすっかり頼りきってしまっていることに、今更ながら気づかされた。
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