エピローグ

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痛すぎて息の仕方さえ忘れてしまう。 助産師さん、看護師さんが何かを言っている、その声もよく聞き取れない。 もう訳がわからない。 「美咲、頑張れ。息を吐いて。」 圭佑さんが手を握ってくれ、私は意識をそちらに向ける。何もわからなくても、圭佑さんの声だけは私の耳に届いた。むしろ圭佑さんの声しか聞こえない。 圭佑さんが隣にいる。 そのことを再認識するだけで心強く感じた。 「はい、次で産まれるよー。はい、いきんで!」 「美咲、いきんで。」 圭佑さんが助産師さんの言葉を復唱し、私は圭佑さんの手を握りしめながらそれに従った。 「はい、息をしまーす。フッフッフッフー。ほら、赤ちゃん産まれましたよ。おめでとうございます。」 「……えっ?!」 痛さとつらさで全然赤ちゃんが産まれたことに気づかなかったが、助産師さんの手にはしっかりと、しわしわな小さな赤ちゃんが抱えられていた。
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