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みとさんはしみじみと、袖まくりをして掃除にいそしむキリオ君の背中を眺めた。
キリオ君は本当にいい人だ。
誰もが羨む端正な美貌の持ち主で、勉強もできる。本人さえ望めば彼女を作って華やかなキャンパスライフを満喫することが出来るだろうに、何故かいつもこの部屋で私やケンザキ君のような変な人たちの面倒を見てくれている。
一度あおいが「キリオ君にはさ、もしかしたらみとさんみたいな人が合うのかも?なんちゃってー」なんて変なことを言ってきたことがあったけれど、とんでもない。こんな素晴らしすぎる人と付き合ったりしたら、きっと一生引け目を感じて生きることになるだろう。
それに、とみとさんは温かいココアをすすりながら思う。
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